プログラミング必修化が大学入試に与える影響

2019年3月9日

2020年から小学校でプログラミングが必修化されます。プログラミングの必修化については授業の方法だとか、言語の習得だとかいろいろな記事がネットに上がっていますが、一番気になるところはプログラミングが受験に対してどのように影響してくるかではないでしょうか。

そこで今回は2019年時点で国内の大学がプログラミングについてどのように対応しているかを調べてみました。

1 慶應義塾大学

慶應義塾大学環境情報学部ではAO入試にプログラミングを取り入れています。国内私大のトップの一つである慶応大学がプログラミングを入試に取り入れているとなると、他の私大についても同じ傾向を取るかもしれません。注目をしておきたい内容です。

慶応大学 AO入試:総合政策学部・環境情報学部

C方式を選択した場合、以下のプログラミングコンテストで所定の成績を収めている生徒は1次試験を免除されます。また今年度からは対象に「未踏ジュニアスーパークリエータ認定者」と「ファブ3Dコンテスト入賞者」が加わわっています。

日本情報オリンピック 本選Aランク者
情報処理推進機構 未踏 IT 人材発掘・育成事業
(旧:情報処理推進機構未踏 IT 人材発掘・
育成事業未踏ソフトウェア創造事業(未踏ユース)開発者)
最終採択者
一般社団法人未踏 未踏ジュニア未踏ジュニアスーパークリエータ認定者
日本学生科学賞 情報技術 中央予備審査通過者
ファブ 3D コンテスト 入賞者

例えば情報オリンピックは高校生以下の生徒を対象に行われる科学オリンピックの一つです。数学オリンピックはよくメディアにて取り上げられますが、情報オリンピックも科学オリンピックの一つです。

 情報オリンピックでは問題を解くためのアルゴリズムを考え、それに基づいてプログラミングを行い出力した結果の正しさを競います。使用メモリ量と実行時間に制限があるため、いかにプログラムをその制限に収めるかと言った能力も問われます。

2 立命館大学

立命館大学情報理工学部でもAO入試にプログラミングを導入しています。情報理工学部ではより実践的なプログラミング能力を評価基準にしています。2019年度AO選抜総合評価方式による入学試験要項を見ますと、出願書類に「自分で作成したソフトウェア」とあり、実際に作ったものを合否の評価としています。

 ・2019年度AO選抜 総合評価方式による入学試験要項

立命館大学の情報理工学部ではよりプログラミング能力を持った学生を評価基準にしていることが入試要項からうかがえます。

3 東京大学

最高学府である東京大学の理学部も推薦入試においてプログラミングを評価対象に加えています。

理学部の推薦入試の募集要項には自然科学分野での卓越した能力を有する実績を示す必要があり、高校生科学技術チャレンジ, 日本学生科学賞など,国内外で開催された各種コンテストへの入賞,商品レベルのソフトウェア開発経験,科学雑誌への論文発表などがあげられています。

・東京大学推薦入試学生募集要項

4 センター入試

現在のところセンター入試にプログラミングの問題が出題される予定はありません。しかし、センター試験に代わり平成32年度から始まる「大学入学共通テスト」の科目に、プログラミングなどの情報科目が検討されています。

これは世界で人工知能を扱う技術者の不足が心配される中で、大学入試にプログラミング科目を導入することで国内のAI人材の増加を促すためです。

また政府は平成34年度からの新たな高校学習指導要領で必修化される「情報I」について共通テストの科目として大学で活用できるよう検討すると表明しています。

早ければ新学習指導要領で初めて学ぶ高校生が3年生となる36年度の大学入試共通テストから情報科目が導入される予定になっています。

まとめ

ここまで実際の入学試験要項からいくつかの大学がプログラミングを入試に導入していることを紹介しました。しかし、まだプログラミングを採用した入試が一般的になっているとは言えません。今後プログラミングスキルが入試にどのように影響してくるのかは要注目です。

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